社会民主党
本日、第26回参議院選挙が公示され、18日間の戦いがいよいよスタートしました。今回の選挙は、物価高や年金切り下げに苦しむ国民のくらしを置き去りに、防衛費の倍増を狙い、敵基地攻撃論を容認し、改憲、戦争国家に進もうとする自公政権にノーを突きつけるための大切な選挙です。そしてまた、社民党にとっては国政政党たり得る政党要件が確保できるかどうかがかかった、極めて重要な選挙です。
アベノミクスは日本経済を泥沼に落ち込ませ、日銀は国債の利子上昇を恐れて大規模金融緩和をやめられず、結果として金利の高い米ドルが買われ、急激な円安が続いています。完全な経済政策の失敗にもかかわらず、失敗をごまかし、有効な政策を講じることができずにいます。自動車産業でさえ円安メリットを受けられず、輸入品をはじめ、物価の上昇を招いています。ロシアとウクライナの戦争激化による小麦や石油の供給不足も、物価上昇に拍車をかけています。7世帯に1世帯が貧困状態におかれている日本国民にとって、この物価上昇は深刻な打撃となっています。
今こそ、新自由主義に基づく経済政策を転換させなければなりません。当面、物価高対策・貧困対策として、10%の消費税を3年間ゼロにすべきと考えます。そして最低賃金を引き上げ、国内需要を喚起すべきです。中小企業には支援策をきちんと措置します。その財源として、大企業がこの間ため込んできた内部留保484兆円に課税します。そして、経済格差を縮小させるために、税の再分配政策を強めていきます。まさに資本主義社会の暴走を抑制する、社民主義的経済政策の出番です。
このような深刻な経済状況にもかかわらず、自民党は、選挙公約の中で、防衛費の11兆円への増額を打ち出しましたが、その財源をねん出するためには、教育・福祉・医療の財源を削り取らなければならないことは自明の理です。さらに、敵基地攻撃能力の保有も打ち出しており、まさに、選挙後に軍事国家への大転換を図ろうとしています。安保法制の適用と相まったとき、米国の艦船を守るために、それを攻撃しようとしている国の基地や指揮統制機能を攻撃することになれば、報復を招き、日本本土が攻撃されることになります。アジア太平洋の人々2000万人、日本人300万人の犠牲者を出したアジア・太平洋戦争の反省を自民党はもう忘れたのでしょうか。
国際間の問題はあくまでも平和憲法に基づき、外交で解決しなければなりません。しかし、自民党岸田政権は、憲法改正に前向きであり、必然的に外交を軽視しています。アフガニスタンでの長年の平和的活動によって信頼を勝ち得た中村哲さんの遺志を継いで、平和国家としての道を歩み続けていくことが、平和憲法の指し示す道です。だからこそ、憲法9条を大切に守っていくことを社民党はこの選挙を通じて訴えていきます。
自民党政権ではできない、脱原発や自然エネルギーへの大転換とそれによる新産業の創設、さらには、農業振興による食料自給率の向上、選択的夫婦別姓をはじめとするジェンダー平等の実現、現場の自由裁量を重んじる豊かな教育の実現、年金、医療、介護の充実を目指して、社民党はこの参院選挙を闘い抜きます。選挙後の国会で、憲法改悪に待ったをかけられる社民党が存在していなかったら大変なことになります。どうか、護憲の政党・社民党が政党要件を確保し、これまで以上に国会で論陣を張ることができますよう、みなさまの温かいご支援を心からお願いいたします。